ひきこもり研究ラボ@九州大学

Hikikomori-Lab @ Kyushu University, Fukuoka, Japan
(Kato Lab - Department of Neuropsychiatry, Kyushu University)

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ひきこもり研究ラボ@九州大学について

ひきこもり研究ラボ@九州大学 グループ長 加藤  隆弘

グループ長加藤 隆弘

Takahiro A. Kato, MD, PhD

社会的ひきこもり(以下、ひきこもり)は、6ヶ月以上にわたり、就労・学業など社会参加を回避し家庭内(自宅)にとどまっている現象です。現在、日本国内には、ひきこもり状態にある方々が140万人以上いることが内閣府調査で推定されています。若者に限らず、8050問題と呼ばれるように長期化・高齢化も社会問題になっています。ひきこもりは、就学・就労・医療・福祉といった様々な領域において深刻な問題を引き起こしており、国家的な喫緊の課題です。

従来、ひきこもりは日本固有の社会現象と思われていましたが、私たちの研究室を含む国内外での調査により、ひきこもり状況にある人々が韓国、イタリア、スペイン、フランス、米国、ブラジルなど様々な国で報告されるようになりました。2022年に米国精神医学会が出版したDSM-5TRで初めて「ひきこもり」が掲載され、この中に私たちのラボでの研究成果も紹介されています。すでに、ひきこもりは21世紀における新たな世界レベルの精神保健問題になりつつあります。世界的なひきこもり増加の要因として、ネット社会化の加速やコロナ禍の影響が示唆されています。他方で、在宅ワークやオンライン学習がニューノーマルとなる中で、病的ではない「ひきこもりという生き方」への模索が必要な時代になってきたともいえます。

ひきこもり研究ラボ@九州大学では、2013年世界初のひきこもり専門外来を大学病院内に立ち上げました。この研究外来を拠点として、国内外の医療研究機関やひきこもり支援団体と連携し、ひきこもりの多面的理解に基づく具体的な支援法の開発をすすめています。ひきこもりの背景には、文化社会的な影響ばかりでなく生物学的な影響もあると想定し、臨床研究、心理社会的研究だけでなく生物学的研究も行っています。このホームページには、ラボでの研究における最新の知見、本人および家族支援プログラムの紹介、そして、ラボで開発したひきこもり評価ツールを掲載していますので、是非ご活用ください。今後も、みなさまのご意見・お力添えをいただき、ひきこもり研究を発展させ、ひきこもりの打開に向けて尽力して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

2023年4月
ひきこもりラボ@九州大学
代表 加藤隆弘

ひきこもり研究ラボ@九州大学

〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3丁目1-1
九州大学 大学院医学研究院 精神病態医学 分子細胞研究室
(九州大学病院気分障害ひきこもり外来)

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